鬼滅の刃

□お仕置き炭治郎と泣かされ善逸
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熱い頬。
潤んだ琥珀の瞳。
…善逸から薫る、情欲の匂い。
酔いそうなほどに魅惑的な善逸に溺れてしまいたくなる。
そっと髪を撫でる。
熱に浮かされたまろい頬。
善逸がその全身で俺を煽る。



「…そんなのっ…!いいからぁ…、最後までしろよ…!」
善逸の体がふるりと震える。

「…お…、俺だって…、こんなままだと辛いんだよぉ…」
恥ずかしそうに身悶えしながら、善逸がシャツの裾を手ずからめくる。
ゆるゆると立ち上がりかけているそこが、ふるふると俺の情欲を引き寄せる。

「…せ…、責任取るならさぁ…、頼むから、…これ、なんとかして…」
潤んだ琥珀の瞳が懇願する。

ずくんと腹の奥が激しく疼いた。


「…失礼する!」
言いながら善逸の隊服の釦を外す。
先刻はこれを着たままだった。
だから俺にはあまり肌が見えなかった。
あんな風にちろちろと舐められ軽すぎる甘噛みだけをされ、俺だって本当はもう我慢が出来なかったのだ。
腕から隊服を抜き取り、白い体を露わにする。
その引き締まった肌に手のひらを這わせると、善逸の喉から甘い声が迸る。

綺麗に肉が付いた胸に吸い付いていく。
善逸の体に残る傷跡にも指を這わせ舌を這わせる。
そうして、白い肌に次々と濃い朱が刻み込まれていく様子をみつめる。

「好きだ。愛してる。…善逸のことだけを、愛しているんだ…」
腰の辺りにも、紅を散らす。
力の抜けた足を抱える。
その中心の屹立に、指を絡ませ、舌を這わせる。
手のひらで内腿を撫でると、綺麗な足がぴくんと跳ねる。
「…ぁ、たん、じろ…、たんじろぉ…」
鼻から抜けるような甘い声。
この声を知っているのも俺だけだ。
そのことが誇らしく喜ばしい。
くちゅ、くちゅ、と…舌を絡ませる。
善逸の指が、俺の頭に食い込んでいく。

大きく開いて抱えたままの善逸の足が、かすかに痙攣する。

駄目だ。まだ。貪りつくような真似は駄目だ。まだきっと早い…。
何度かこうして体を重ねてはきたけれど、この行為に溺れるほどの快楽を善逸に与えることは出来ていない。

…ようやく、俺の愛撫にその体を委ねてくれるようになったばかりなのだ。

だから性急すぎてはいけない。
もっと確実に善逸の体を高めていかねば、俺ばかり悦いことになってしまう。

はぁはぁと息が上がる度、善逸の羞恥の匂いが強くなる。
俺の髪に指を絡ませ、迫り来る悦楽へと備えている。
俺の耳にさえ届きそうなほど、善逸の鼓動が早くなっている。

…もう少し。
…あと、少し…。
筒状にした手のひらでしごきながら、合間に指の腹で擦り続ける。
じゅくりと吸い上げると、善逸の足が震える。

…はぁ、はぁ、という淫らな呼吸を繰り返して。

善逸のそれが、弾けていく。


達したばかりのその体を、膝の上に抱きかかえる。
濡らした指で、びくつく内部を慣らしていく。
…何度もこうして抱いているから…。
体の方は、随分素直な反応を返してくれるようになってきた。

それでもまだまだ、善逸自身の気持ちは俺の気持ちに追いついてはくれないけれども。
善逸は時折俺に対して、「俺の愛は重いんだからな、覚悟しろよ」なんてことを言う。
…俺の執念や愛情が軽いなど、何処を見て判断しているのだろうと呆れてしまう。
「炭治郎に良い人が出来たらいつでも別れるから」なんて可愛くないことを平気で言う。
もちろん俺は、善逸にどれだけ良い人が現れたとしても、その都度善逸の手を引き俺の方へと向けさせるつもりでいる。

俺の気持ちを軽いと思っているのなら、善逸はきっと俺から逃げることは出来ない。


ぐずぐずに蕩けている体を撫でさすりながら、そっとそこに指を挿す。
濡れた指でくちくちと入り口を探り、そろそろと、それでも少しでも奥深くへと埋め込んでいく。
「…ぁ、んんぅっ…!」
苦しそうな、切なそうな匂いがする。
でももう止まらない。
あんなに可愛く清楚な顔で、これだけ俺を煽って見せた。
温かな胸に吸い付きながら、挿し込む指を二本に増やす。
ころんと舌先に触れる乳首を、唇ではみこむ。

 「…やぅっ…!」
軽く歯を引っ掛けて、扱いていく。
強く吸い上げると甘い声が部屋に満ちる。
ぶるりと震えるその背中を、震えにあわせて撫で上げる。
それから、もう片方の乳首にも同じ刺激を与えてから。

あぐらを組み、善逸の両腕に俺の首を抱かせていく。
そのまま善逸の両膝を抱える。

…白い腕が、俺の首筋に巻き付けられていく。
…善逸が、こうしてしがみついてくれるから。
…この体位でするのが、一番興奮する…。

慣らしたそこへ、俺の屹立を押し当てる。
そのままゆっくり、抱えた足ごと…善逸の体を落としこんでいく。

「…ぁ、ん…」
俺の首筋に巻き付く腕に、力がこめられていく。
その体が俺を全部飲み込んだのを確認してから、腕を離す。
腰を抱き寄せる。
恐らくは声を出さぬよう、固く引き結ばれたままの唇をとらえ舌で歯列を割っていく。


「…ん…」
善逸の口元から、抜けるような甘い声がする。
ゆっくり舌を絡ませて、軽く吸い上げて。
そこが馴染んできたのを確認してから、腕の中の体を突き上げていく。
ぐ、ぐ…、と腰を進めるたび…。
綺麗に色づく白い肌。
がんがんと腰をふる。
上へ上へと突き上げる。
あわせた唇から、甘い甘い悲鳴が漏れていく。

白い腰を掴んで、ぐるりとまわす。
内壁が擦られて、善逸の体が軽くひきつれる。
抱きしめている体から放たれる体液が、俺の腹を濡らしていく。

―…少し…いったようだな…。


唇を解放する。
甘い声が部屋中に満ちる。
俺の首もとに顔を埋めて、金色の頭を揺らしている。
「…ぁ、ぁんっ、やっ…、たんじろぉ…」
その声を聴くだけで、善逸の中に挿し込んでいる俺自身が、ますます激しく膨張していく。

「んぅっ…!ぁ、んっ…」
俺の肩に、善逸の唇が押し当てられる。
少しでも声を堪えようとして。それで…。
そんなことをすると…より一層、俺の情欲を煽るだけなのに。

つながった部分を指で撫でる。
そこだけ僅かに柔らかなお尻を揉みしだきながら、火照る頬に口づける。
潤んで涙の滲んだ目元が色っぽくてずきずきする。


―…善逸は、どういうつもりで俺に抱かれてくれているんだろう。
―…善逸が俺に向けてくれている情は、俺と同じ種類の愛情だろうか。それとも。

―…初めて知った人肌だから、懐かれている…なんてことを言われたら切ないぞ、善逸。

ぐん、と腰を突き上げる。


こんなに毎晩、愛を囁いて。
こんなに毎晩、抱きつくそうと試みて。
愛してる、好きだ…。そう繰り返して。

なのに、なんだかあまり伝わってはいないような気がするのだ。

愛してる、好きだ。抱きたい。
そう伝えても、善逸はいまひとつ理解せずきょとんとしている。
ありがとね。
そんなことを言いながら、照れたように頭を触る。


白いその両足を抱えて持ち上げる。
そうして、善逸自身の体重で俺の上に落としこむ。
そのままぐるりと抉って突いて。
「…やぅっ…!ぁ…ぁ…、や、やぁっ…!」
金色の頭が左右に揺らされる。
綺麗な大粒涙の雫が零れ落ちていく。



…善逸はもともと、愛情に乏しい生活をしていた。
それを切望し求めてはいるものの、いざ自分の身へ向けられると、そのことをうまく理解できないでいるのだ。
信じたい物だけを信じてしまうようなところがあるから、自分自身を卑下して見つめているその瞳には、自分なんかが求められるはずなんてない、本当に愛されるはずがない、という思考が根強く蔓延ってしまっている。

それで俺が求めるがまま欲しがるがまま与えてくれているんじゃないかと、そう思うときだってある。
俺が望んだから。懇願したから。善逸としたい、そう駄々をこねたから。
…善逸自身は、あまり自分のことを大事に思ってくれたりしていないから。

そっかぁ。炭治郎がそんなに欲しいんならどうぞ。

深く考えないまま、そう言われているんじゃないかと、そう…。

でも、こうして善逸を抱いていると。
目元を潤ませて頬を染めて。俺に抱かれてくれている姿を見ると。
しがみついてくる、白い手の感触を感じると。
ちょっとは…少しは…。
もしかしたら…少しくらいは、俺と同じくらいには、俺のことを…。


俺の体がぶるりと震える。
…そろそろ、俺も…。
内壁を擦りあげながらずるりと引き抜く。
そのまま…その快楽にのまれて俺の体も達していく。
がくんと善逸の体が崩れ落ちる。
ぐずぐずに蕩けたその体を、布団の上へと横たえる。


その横に、自分の体を滑り込ませる。
汗ばんだ額にかかる髪の毛をはらいあげ、その頭を撫でる。
肩を抱き寄せ、腰を抱き寄せ…。
甘い体を抱きしめていく。

「好きだ。愛してる。俺にはずっと、善逸だけだ…」
抱き寄せた躰の耳元でそう囁く。
「…ん…ぅ…、音…、待っ…」
荒い息で、それでも俺に向かって腕を伸ばす。
くしゃりと笑んで、抱きしめる腕の力を弛める。
善逸が眠りやすいよう、体をずらす。
その場所で、ゆっくり瞳を閉じる愛しい人の体をそっと撫でる。

その寝顔を見つめながら…。
そっと、俺も瞼を閉じる…。


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