08/24の日記

16:07
サイト一周年 フリー小説 少年陰陽師編
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【少年陰陽師編】


さわさわと、静かな木々の間を吹き抜ける風音がする。

「静かだな…」

力なく木の幹に背を預け、そっと呟いた昌浩は小さく首を傾けた。

「ねぇ、紅蓮…」

知らず知らずのうちに、一筋の涙が頬を伝う。

「じい様の約束、やぶちゃったね…」

視線を落とせば、真っ赤に染まった自分の掌が見えた。

そして、ざわめき始めた木霊の声も聞こえ始めた。

「ねぇ、じい様、なんで尸櫻に加担したの…?」

なんで、自分に予言をした件をなでていたの?

なんで、梓を傷つけたの?

ねえ、なんで?

疑問は尽きない。

だが、それはもう、聞くことの出来ない問だった。

ざわざわと幹が揺れる。

『ヒトヲコロシタナ、コドモヨ…』

『ヒドイニオイダ。ヒトヲコロシタダケデナクソノアイテガニクシントハオチタモノダナ』

口々に言い募る木霊を昌浩は見上げる。

そして、皮肉げな笑みを浮かべると、目を細めた。

「ああ、確かに俺は、人の道に反し、肉親であったものを殺めた。――そして、血濡れの咎を再び負った…」

最後の言葉は、小さすぎてざわめきにかき消される。

しかし、咎という言霊に反応した、精霊たちの気配がさらに荒くなっていく。

何気ないしぐさで再び視線を落とせば、透明な蔦が自分の腕から這い上がってきているのが視えた。

だが、昌浩はそれを振り払おうともせず、まだ動く右手で懐から式を取り出す。

「お前たちの主、安倍昌浩からの最後の言葉だ。
 ――俺がいなくなった後、後追いは許さないよ…」

其れだけを紡ぐと、吹き荒れ始めた風に乗せ、空高くとばした。

それを見届けた昌浩は木霊が、太い木の根のように変化し、自分の首に巻きついているのに気が付く。

いや、それだけではない、自分の血肉そして、霊力さへも喰らおうとする気配も。

「いいよ、喰いな。だけど、俺なんか食ってもおいしくないよ」

だって、俺半分妖だし。

灼熱の中、昌浩は最後の最後まで微笑んでいた。


(ねぇ、紅蓮、人間なんか食ってもおいしいの?)
(知るか)

(俺達で言う、魚とか猪とかなのかな?)

そんな、無邪気な日々が通り過ぎて行った。




――――
あとがき

はい、意味不明でごめんなさいww



☆コメント☆
[琥珀08-25 22:13 削除
お久しぶりです!
一周年おめでとうございます!!
先日は拍手、ありがとうございました。こちらこそ、削除が遅くなってすみません。

フリー小説…!
銀魂と少年陰陽師ですね!両方とも大好きです!しかも尸櫻編!!

い、いいんですね?もらっちゃいますよ!?
フリーに甘えて銀魂も少年陰陽師、二つ頂きます!

長文・乱文失礼しました。

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14:28
サイト一周年 フリー小説 銀魂編
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そういえば、サイト一周年が過ぎてましたww

ということで、フリー小説です!!

もらってくださる場合は、一言足跡を残して下さるとうれしいです。(*^v^*)


【銀魂】

『銀時…』

懐かしい、あの人の、自分の名を呼ぶ声が聞こえる。

『約束ですよ…』

ごめん、先生、護れなかった。

皆、死んじゃって、俺と晋助と小太郎も生き残れたけど、たくさんたくさん人を斬ってきた、殺してきた。

『あなたの名は銀時にしましょう』

先生、誰の子かもわからないのに名前をくれた。

大切で、大好きな…



『白夜叉』

なあ、先生、この平和はいつまで続くかな?

あれから、十年ぐらいたって、新しい家族が出来たんだ。

けどさ、天導衆にも白夜叉だってことばれちゃってさ、あとどれぐらい持つか分かんないだ。

もし、本格的に俺が狙われたら、俺はあいつらの元から去らなきゃいけない。

なぁ、先生、先生はなんで俺にあんな約束をしたの…?


◇◆◇◆

目を開けると、冷たくなった涙が眦を伝う。

「銀ちゃん…」

そして、心配そうに顔を歪ませた大切な家族が自分を覗き込んでいた。

「銀ちゃん、泣いてたアル…。先生っていってた…」

成長して、立派になったのにもかかわらず、昔と同じように自分を心配するその姿は変わらない。

「神楽、大丈夫だ。なんでもねぇ、ただ、少し嫌な夢を見たぁだけだ」

安心させるように神楽の頭をなでてやる。

「銀ちゃん」

「ん?どうした」

大きな手に暖かさに目を細めながら、神楽はそっと呟く。

「消えないで…」

「え?」

目を見張る銀時に、神楽はもう一度、強く呟く。

「勝手に消えないで、銀ちゃん。姉御も、新八も、定春も、みんな銀ちゃんがいないとダメなんだよ」

涙ぐみ始める神楽を引き寄せ胸に押し付けると、そっと嘆息した。

「……ごめん、ごめんな…」

こんな、俺でも慕ってくれているのに、自分はそれにこたえてやることが出来なんだ…。




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