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05/31(Sat) 20:16
たぴ

よく友人と一緒に帰るようになり、僕に向かって手を振っては彼女の友人に不思議そうな目で見られた。そして僕も彼女に会えば会う程手を振り返しているのに見えていないだろうとか、学校は楽しかった?と聞けない僕にイラつき、どうして自分は「信号機さん」なんだろうと考えても考えても理由が思いつかなかった。そんな時、彼女は友人と帰る途中、僕が青と言うのを待っていた。だが、その日はたしか五月だが七月並みに暑いと言われた日だった。彼女の友人の一人が信号を無視しようと言い出したのだ。
「ねえ、もういいじゃん。みんなここ渡っているんだし、ウチらも渡ろうよ。」
死ね、と反射的に僕は思ってしまった。彼女は
「私は待っているから。二人とも先に行ってて。」
と言ったのを聞いて僕は安心した。彼女を死ねと思ったら…と、考えたその時、彼女の友人は、
「もう、早く行かないと置いていくし、もう一緒に帰らないからね。あ、ほら、今だ!。」
と言い、自転車をこぎ出した。彼女は遅れて仕方なくペダルをこごうとし、僕の顔をすまなさそうに見つめた。そしてペダルをこぎ出したその時だった。車両の信号の色が変わりそうになり、猛スピードで彼女に向かって車が突進して来た。車の方はギリギリまで彼女に気が付かず、ブレーキを急いで踏もうとしたが間に合いそうになかった。彼女は突進してくる車にどうしていいか分からず立ち止まってしまった。
 _______このままでは彼女が死んでしまう。僕は今までなら動かなかったであろう体を使い、その車に向かって倒れた。運転手にぶつからないように倒れたがどうやらぶつかってしまったみたいだ。彼女が泣いている。彼女が僕を読んでいる。信号機さん、ではなく別の名前で。だが僕の意識はどんどん遠くなり、ついに何も聞こえなくなったかと思うと僕は永遠の闇に沈んでいった

PC
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05/31(Sat) 20:26
たぴ

 翌日、某墓地。
 彼女は「桜井晃」という墓の前に花を捧げ、綺麗に墓石を磨き、線香をあげ、手を合わせた後、彼女はしゃがみこんだ。
「君が守ってくれたんだよね。信号機さん、いや、晃くん。あの壊れた信号機のせいで君が亡くなってから、いつも壊れた信号機を必死に動かしてみんなを晃くんと同じ目に合わせないようにしてくれたよね。…みんなには見えないけど私には見えていたんだよ。あの時君の大事な信号機を思いっきり蹴りとばして私を守ってくれたんだよね。ありがとう。」

彼女は立ち上がり町の方へ歩いていった。
優しい初夏の風が彼女をつつむように吹いていった。



※この物語はフィクションです。実際の地名、人物とは一切関係ありません。

PC
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