短編

□ある少女の物語
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一人の少女はずっと親の敷いたレールを辿って生きてきました

でも、その道よりも他の道に行きたくて

少女はそのレールから外れて新しい道を辿ろうとしました

親は当然猛反対しました

怒り狂って、少女をたくさんたくさん罵りました

それでも自分の道を歩みたくて

親の反対を押しきって少女はその道に飛び込みました

少女はとても満足でした

自分の行きたかった道に行くことができて


でも、その幸せも長くは続きませんでした

何故なら、少女がその道に行けたのは結局親の力を借りたからです

親は妥協する代わりにある条件を出していました

それは、新しい道に進む代わりに社会に出る上で絶対的に力になると言われている地位を獲得すること

でもそれを獲得するには大変な努力が必要でした

もちろん少女が新しい道でしたかったことにそれは含まれていません

それでも少女は「約束だから」と必死になってやろうとしました


でも、それを得るためにがんばればがんばるほど

少女が本当にしたかったことは遠のいていきます

毎日毎日望んでもいないことを繰り返す

それでも空いた時間にやりたいことをしようとしました

でも、今度は親は少女に家事を強要しました

無論心休まるときも好きなことに打ち込む時間もありません


やがて少女はそんな生活が嫌になっていきました

少女がサボっていることにいち早く気づいた親はまた少女を罵倒します

「どうしてあなたはそんなに中途半端なの?自分が望んだ道だからお母さんもお父さんもあなたに大金をかけているのに!」

私はそんなこと望んでない

大金をかけてくれだなんて言ってない…

しかし、そんなことが言えるはずもなく

少女はやがて重圧と過度な期待と罵詈雑言でおかしくなっていきました

毎日毎日泣いて

何度も何度も死を覚悟して

それでも、少女は死ねませんでした

怖かったんです

死ぬことが

結局親が期待したものは何一つ手に入れられないまま、今度こそはとまた新しい道に飛び込みました

でも…現状は何一つ変わっていません

過度な期待はなくなりました

でもその代わり、重圧は命令へと変わり、少女は親に自分の将来を決められてしまいました

違う道に…自分が子どもの頃から夢見ていた職業に就きたいと言えば鼻で笑われ、「親の言うことも聞けないやつに何ができる」と罵倒されます

私がバイトで一生懸命稼いできたお金もギャンブルの資金にされる

その間の家事は私任せ

食卓にコンビニ弁当が並ぶのが常で他の日だって出来合い物ばかり

口を開けば学費の話と親の将来の話

「あんたが早く就職するか国公立大学に行ってくれてたら今頃第二の人生歩んでたのに…しょうもない私立大学なんかに行くから…」

「誰かさんの学費のせいでこっちは迷惑してる」

「学校行かせてもらってる身分で何生意気な口きいてんの?」

それが親が子どもにたいして言うことなのかな

もうわかんないよ

どうしてこうなっちゃったんだろう?

私はどこで人生を間違えたんだろう?


教えてください

どうしたら私は幸せになれますか?


〜END〜
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