短編

□死神
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君が…

君の世界が壊れそうになったとき

僕がいることでどれだけ君の力になれるだろう?

君を闇から助けられる?

君の笑顔を取り戻すことができる?

きっと無理だと思う


だって君を助けるには

君に関わるには

僕はあまりにも汚れすぎたから


犯した罪は消えない

皆が忘れても

その小さな傷跡は僕の心に膿のように

ジクジクと永遠に痛みを残し続ける


そんな穢れた僕が

君を助けられる筈がないんだ




だからせめて

僕が君のためにしてあげられる唯一のことを…


さあ…一緒に旅立とう

都会の風が吹くこのビルの屋上から

大丈夫

怖いのは一瞬だけだよ


一度飛んでしまえば

心臓が浮くような落下だって

アスファルトに叩きつけられる感覚だって

快感に変わってしまうから

ほら…一緒なら何も怖くない

























グシャッ












なーんてね




バカじゃないの?


〜END〜

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