suen~o1

□両片想い
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デントSide
リナは本当に分かってないと思う。
僕がどれだけリナのことを可愛いと思っているのか。
僕がどれだけ理性を総動員させてリナの部屋に来てるのか。
僕がどれだけ、リナのことが好きなのか。
関係を壊したくなくて告白さえできない。今の関係に慣れすぎて、壊れることが怖い。そう感じてしまうせいで兄脱却ができないのだ。リナは僕のことを兄として慕ってくれている。それなのに、僕が恋愛感情を抱いていると知ったら彼女は僕のことをまともに見てくれなくなるかもしれない。それのほうが恋人になれないよりかつらいと思う。だから僕は兄を仮面を被って毎朝彼女を起こしに行くのだ。
「(でも、やっぱりそろそろきつい…)」
高校生はもう大人だ。心はもちろん、体も。やっぱり僕だって男なわけで、好きな女性が目の前で無防備に眠っていたら色々とつらい。兄と慕ってくれる妹分に対して最低なことだと分かっているけど、やっぱりきつい。
「(本当にそろそろ考えてもらわないとな。)」
理性がいつ切れるか分からない。そんな綱渡り状態の僕。紳士だなんだと友達に言われるがそれは興味のない女性たちにだけで、好きな女性の前だったらそんなものはもろい首輪にしか過ぎない。しかし、その首輪にプラスして、僕には兄貴分という枷がある。少なくとも身動きが取れなくなるくらいには強力だ。
「勇気があればいいのにな…」
僕は臆病者だ。

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