ぷよぷよss
□過去ノ現在未来不知
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苦しい・・・
マタ体はどこかへ行ってしまった。
ドコドコドコドコ?
キサマハ・・・ワタシハドコ・・・?
魔物『!!:』
本の中から飛び起きた可笑しな話、体は無いのにそう頭では認識した。
辺りを見回すと、そこはここ最近世話になり始めた少年部屋だ。
本はあちらこちらに散乱している。
別そんなことはどうでもいいのだ・・・。
私は本の中では睡眠は出来ない。
眠っているのであって、睡眠をとっているわけでは無い。
なんだか矛盾しているようだが、この言葉が一番しっくり来る。
本が置いてある机のすぐそばに少年眠っているベッドがある。
少年はいつものようにまっすぐな髪をしておらず、くしゃくしゃと乱れている。
魔物『・・・・』
このあいだ見た小娘・・いや・・アルカ。
数千年前に私に笑顔をくれた少女の姿だった。やっと会えましたと言っていたから、私の事は分かる筈だ。
ならなぜ私の事を再び本に閉じ込めたのだろうか・・・。
この思いは一方的なものだったのか。
この恋心は一方的なものだったのか。
このお前への・・・・・・
自己嫌悪しても、何も変わらないことは分かってる。
実行に移さなければ・・・・。
この状況からは絶対に打開できない。
行動をするには体が必要だな・・少年の体を拝借しよう・・・。
少年の体を乗っ取り、家から出た。
一番魔力を感じるのは、アルカ遺跡____
彼女を弔うために私が墓を作った。あの時の墓がアルカ遺跡にはあった。
魔物「・・・・・・・・アルカ」
?「なあに?」
魔物「・・・貴様・・おちょくっているのか・・?」
勢いよく振り返る。
そこにはあの金髪の少女アルカと瓜二つの少女。
アミティ「こんな所で何をしているの??」
魔物「貴様には関係ない」
アミティ「えー教えてよーー」
魔物「私に気安く話しかけるな」
アルカ遺跡の中はとても暗くて冷たい。
ちょっとおかしいが、寒いではなく冷たいと言う方が相応しい。
魔物「アルカ・・・・」
石碑に手を当てる。
アミティ「・・・アルカ・・さん?って誰?」
魔物「・・・・・」
アミティ「ちょっとでいいから教えてよ!」
私のすぐ横にちょこんと座り、私の話を待ちわびている様だ。
魔物「・・・貴様魔物の私が怖くないのか?:」
そういうと少女は少し意外そうな顔で、
アミティ「なんで?見た目は人間と・・私たちとなんら変わりはないじゃんだから怖くないよ!」
絶句してしまった。
アルカが言った言葉と重なってしまった。
笑顔、仕草、台詞、全てが全てアルカだ・・・。
この少女はアルカの生まれ変わりでは、とさえ思ってしまう。
魔物「・・・ふん・・代わった小娘だ」
アミティ「じゃあ、話してくれるの!?」
ぱあああっと笑顔が輝く。
その笑顔を見届けると、私はゆっくり話し始めた________。