めだかボックス ☆短編☆
□失敗人生
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私の名前は鶴喰鴎。
人呼んでバーミーもとい「一人ぼっちの誕生日」。
可哀想な人なんて言わないでちょーだい。
私は私なりに楽しくやってるつもりなんだから、まあ感性は人それぞれだからさ。
私は父親に捨てられ、一人暮らし。
まあ小さい頃からずっとそうだからいまさら寂しいとか悲しいとか孤独とか
そういう感情がないんだよね。
ざーんねーんながら。
それでやることもなかったから暇つぶしで、何となく父親を探すことにした。
でも簡単に見つかるわけもなかった。
まあ簡単に見つかっちゃったらつまらないよね。
つまらない?
良くわからないな。自分で勝手に探し出して会って何がしたいんだろう?
顔もわからない父親に______
きっと、私は気持ちを伝えたいんだと思う。
寂しかった 一人で 早く帰ってきてよ 一人の誕生日なんて
いやだ______。
可笑しいな。
球磨川先輩じゃあないけどこれは“私は悪くない”よね?
私は大人だからこんな事思わないと思ったのに、やだやだ・・・コレは見せちゃいけない。
ずっと探してた父親が目の前に居るんだから!
コレ(涙)はみせちゃいけないよね。
聞きたかった。
なんで自分を置いて何処かへ行ってしまったのか?と。
理想の答えはもちろん私のためだった、だ。
「いいプラクティスになったよ我が息子 いやはや失敗作もたまにはこうして役に立つから侮れないよね。」
今なんて言った?
我が息子?そこじゃないよね ___失敗作・・・・?
ふざけるな自分の子供を・・失敗作だと?勝手に作っておいて捨てておいて__失敗作・・!?
「まあ、結局息子が生まれちゃったんで保険にならなかったがねだからすぐに育児と計画は放棄したんだが」
「けどまあよかったよ俺と一緒にいたらお前もママも俺と一緒に三年前殺されてたぞ」
三年前こいつは死んでいたのか・・・私のやっていたことは結局無意味だったのか・・・。
全部こんな下らないクズの男に踊らさせてたのか、私は。
「だからお前俺にお礼を言っておいたほうがいいぞ」
「愛する__いや別に愛してないけど我が息子よ」
聞きたくないよ、こんな事。
「待ってくれ!私はまだ___」
私はまだ何も伝えていない!!
言葉が言い終わる前に言彦が現れあいつを踏みつけあいつが肉片に変わった。
ざまあみろ、なんてセリフも吐き出せないよ。
その肉片を見てなぜか昔の自分を見ているような気持ちになった。
おかしいでしょ、コレは見せないって決めたのに・・・。
「っく・・・・・」
私は愛されてなかった。失敗作だから。男だったから。
そして幼い私を捨てた最低最悪のこいつにたいして涙を流すなんてどうかしてる。
どうにか・・・誰か・・・・助けて・・・・・。
「・・・ヒー・・・ト・・・・。」
あいつの肉片の上に倒れ込んだ当たりからの記憶がない。
もう、何も見えない。
私の人生、 失敗作だったの・・・?誰かおしえ・・・て・・・・。