めだかボックス☆ストーリー☆
□『好きっていうぜ 』
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今日はめだかちゃんは、実家の会議のようなもので学校を休むといっていた。
「親族会議次第では箱庭学園が滅ぶかもしれん。」
そういい残して我らが生徒会長は昨日の時点で早めに帰った。
親族会議で学校が滅ぶってどんな親族たちだよw
まあ、それはさておき今日は善吉ちゃんと仲良くする好機だね★
それで僕は愛しの善吉ちゃんが居るであろう生徒会室を思い切りあけた。
『善吉ちゃーん!』
開けたドアの向こう側には僕が望んだ愛しい子は居ないようだ。
生徒会活動表を見る、すると。
「生徒会長不在のため直帰にする」
なんてすごく綺麗で堂々とした字で書いてあった。
きっとめだかちゃんの書いた字だろう。
『なーーんだ皆居ないのかあ・・・。』
善吉ちゃんが居なくて僕はとても悲しい気持ちになった。きっと今から1年1組に行っても
善吉ちゃんは居ないだろう。
『しょーがいない今日はもう帰ろうかな・・・。』
「どこ行くって??」
背後から聞こえた愛しの彼の声。
行きおいよく振り返ったら、善吉ちゃんの胸元に顔がぶつかった。
善吉ちゃんと僕はかなり身長に差がある。
10cm〜15cm位は違うかな??
え?どっちが大きいかって?
もちろん善吉ちゃんの方が大きいに決まってるじゃあないか!
『わーなんでここに居るの?善吉ちゃん?もしかして何も知らなくてここに来たの??
なら残念ー。今日は生徒会はお休みだってさ!』
「いや、知ってるよ。んなもん。」
じゃあ何しに来たの?と聞く前に善吉ちゃんの手を見ると、
「生徒会重要機密報告書」というなんだか読み違えてしまうような難しい文字の封筒。
どうやらこの封筒を置きに来たようだ。
一瞬だが自分に会いに来てくれたのかなんて思っちゃった。
そんなわけねえだろ。こんな不完全、負完全に自分から会いに来てくれる奴なんて、
同じ過負荷の皆だけだもんね。
『その封筒置きに来ただけだろ?僕は帰るね。ばいばい善吉ちゃん』
なんだか今日は萎えちゃったなあ・・・・。
一人でちょっと買い物して帰ろう。
僕はいつもこうだ、きっとここで善吉ちゃんを買い物に誘ったらこころ良くOKを出してくれるだろう。
でも僕はひねくれ者で、意地っ張りで、素直じゃなくて、天邪鬼で、君の優しさに触れるのがちょっぴり怖くて・・。
そんな風に生きてきたから・・・・。
いまさらその生き方を変えることもできないようで でもそんな物君が____
「なあ、球磨川。これから暇だからどっかいかねえか?」
ああ、これだよな。勝てない。
でもね、ちょっとだけ___ひねくれ者になってもいい??
『えー?善吉ちゃん遊びたいの??しょうがないなあ!僕が付き合ってあげるよ!』
「なんだよ、いやみな言い方しやがって!」
『まーまー、じゃあはやく行こうぜ!』
善は急げだ。善吉ちゃんの気持ちが変わる前に行かなきゃね!
『善吉ちゃんまずはどこに行くの??』
「んー・・・ゲーセンでも行くか?」
『わあ!いいね!』
ゲームセンターなんだかロマンチックの「ろ」の字もないけど、
善吉ちゃんと2人で行けるなら、どこでも僕はいいんだぜ?
ゲームセンターはとても賑やかだ。
僕みたいな過負荷がそんな所に居るなんて独りだけ浮いちゃいそう。
きっと善吉ちゃんにも迷惑が、かかっちゃうんだろうなあ・・・・。
「球磨川。まず何から遊ぶ__って聞いてるか?」
『あっうん聞いてるよ!』
考え事に集中しちゃって不覚にも善吉ちゃんの声が聞こえなかった。
「大丈夫か?体調でも悪いんじゃあ・・・?」
『ううん大丈夫だよ?つーかぼくの場合、大嘘憑きで全部なかったことに出来るし!』
「そうか?大丈夫ならいいんだけど。」
優しい善吉ちゃん。
でも思いを伝えるのにもっとも怖いことは、自分の力で
君の存在ごとなかった事にしてしまいそうだから・・・・実はそれが一番怖かったり。
『あ!プリ撮ろうぜ!善吉ちゃん!!』
「ぷり・・?ってなんだ??」
『えー?善吉ちゃんプリも知らないの?お子様だなあ』
「カッ、あいにく俺はお前みたいに女子力が高かったりしないんでね!」
そんなお世辞のような言葉だって僕を惚れさせちゃったり出来るんだぜ?
ちょっとは自重しろよ。
『ほらほら!善吉ちゃん!カメラのところ見て!!』
「おっおう!」
ぱしゃっ
撮り終わった後にプリクラを見るとなんだか緊張気味な善吉ちゃん。
可愛くて。つい___
「好きだぜ・・・善吉ちゃん・・・。」
なんて、本音とたてまえを間違えてしまった。はっ、と口を閉じたが善吉ちゃんには聞こえてしまったらしいようで___
あからさまに顔が熱くなるのがわかった。
こんな展開、いつもどうりに嘘をつけば乗り切れるはず・・・。
『あっ・・いまの違うよ!えっと・・・!!』
いつもどうりに上手く嘘がつけない。
わたわたと挙動不審の僕。
おもむろに善吉ちゃんが口を開ける。
「球磨川、俺は____」
そこから僕は何が起きたのかも分からずに、呆然と立ち尽くした。