めだかボックス☆ストーリー☆

□『好きっていうぜ 』
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言ってしまった。
今更どんなに後悔しても遅い。善吉ちゃんの返事を待つ事しか出来ない。

「球磨川、俺は_____」

そんなにためないで、早く言ってよ 善吉ちゃんがめだかちゃんを好きなのは僕だって知ってるんだから。
そんなにためて言わないで?
変に期待しちゃうじゃあないか・・。

やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて___

「俺は、いや俺も・・・その・・・。」

やめ・・・・
僕の中で拒絶、恐怖、畏怖、ありとあらゆる負の感情が善吉ちゃんの
一言で一気にデリートされた。

「俺も・・お前のことが・・好き・・だ・・・。」

なんで嘘をつくの?

なんでそんなに顔を赤くして嘘をつくの?

なんでそんなに顔を俯かせて嘘をつくの?

なんでなんでなんでなんでなんで???????

『僕・・善吉ちゃんが好きっ・・・!』

「おう・・そうかよ・・/////」

信じてもらえないかもしれない、でも括弧を・・格好つけないと言えないんだ。
まだまだ僕は臆病者でひねくれ者で天邪鬼だ。

やっと善吉ちゃんと両思いになれたのに。
だから、一回だけ。一回だけだよ?

良く耳をすませて聞いてね?

「善吉ちゃん、愛してるぜ・・!」

小声だけど言えた。
善吉ちゃんにぎりぎり聞こえるかどうかだろう。でも聞こえてて欲しいな。
僕の本心、素直な気持ちってのを。

「//////」

ぽーっとしてる善吉ちゃん。可愛いな・・・。
言う前はただ恐怖しかなかった心、なんて、僕に心なんてあったんだね・・?

これで少しは幸せになれたかな・・・?

『じゃあさっ交際記念として、もっかいプリとんない??』

「えっ、まじかよ。」

『うん!交際記念初日は今日しかないんだぜ??もったいないじゃあない!!』

「なにがだよ・・・しょーがねえ、一回だけだぞ?」

『わあ!ありがとう!善吉ちゃん大好き!!』

いつもの作り笑いなんかじゃあない、心のそこから笑えた気がしたんだ。

善吉ちゃん・・好きだよ・・・。

好きったら 好き・・・・。


そのあと結局プリを4回撮って、満足してゲームセンターを後にした。
帰り道で僕は善吉ちゃんとメアドを交換した。

そして、他愛のない会話をしているうちに善吉ちゃんの家に着いた。
善吉ちゃんの家は一軒家で、灯りがついていた。

きっと人吉先生が居るんだよなあ・・・なんてちょっと羨ましかったり・・・。
そして善吉ちゃんと別れて、僕は自宅に向かった。

僕の家はアパート。
お洒落とはお世辞でも言えないようなアパート。そこの三階に僕の部屋がある。

カンカンカン・・・・。

無機質な歩く音が妙に耳を突く。

でも不思議といやな気はしない。普段はこれがうるさく、面倒だから「エレベーターできないかな?」
なんて考えてるけど、

なーんか不思議。

嫌な足音も、薄気味悪い廊下も、なんだか変わって見える。
なんとなくだけど、嫌な気がしないんだ。

ガチャ

僕はいつもどうり部屋のドアを開けて、真っ暗な家に入った。
鍵を閉め、靴を並べ、電気をつけて。

この動作も不思議と慣れたものだ。

そしてお風呂を入れて僕はベッドにぼふん、と勢いよく倒れこんだ。
そして今日の出来事を振り返ってみた。

振り返る、なんて過負荷の僕がしてるなんて面白いね、滑稽だね?
でもでも、僕は人間だし感情があるんだ

だから善吉ちゃんが_______

ピロンッ♪

『・・・・?』

考え事をしていて気が付かなかったけど、僕の最新型スマートフォンに4件のメールが来ていた。
開いてみると、1件目が江迎ちゃんで、2件目が善吉ちゃん、3件目も善吉ちゃん、4件目は善吉ちゃんだった。

どきどきしながらメールを開くと、

「今何してんの?」

「好きなお菓子何?」

「暇ー」

なんて、可愛らしい真っ白なメールが来ていた。
それに僕は返信をした。

『ベッドで善吉ちゃんのプリをおかずにしてた★』

って送ってみたら、返信が来なかった
それでしばらくして、寝る直前にもう一件メールが来ていた 内容は、

「おやすみ、布団ちゃんとかけて寝ろよ?」

可愛いんだから・・・好き・・・。

布団の中で善吉ちゃんのことを考えていたら、いつも間にか深い眠りについていた。
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