ウェルディアナの花の下
□守りたいもの
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「ウェルディ様、お迎えに参りました。」
「シェルン……?どうして。」
ソファに膝を抱えていると、タナンにはいるはずのないシェルンがそこにはいた。
「陛下の命令でここに。姫様は先にタバンにお戻りになられました。ウェルディ様もお早く。」
「なんで、?」
嫌だ、違う。いつものシェルンじゃない。その目は、兄上と一緒だ。欲望に濡れた瞳。
怖い。
「陛下が心配されております。こんな属国に我らの至宝であるカリスティア様とウェルディ様をおいてなどおられません。」
「違う、陛下は納得されていた。」
近づいてくるシェルンに、ソファを降りて入口に向かって走り出す。
「分からないお人だな。おとなしくしていてくださいね。優しくできる保証もないんで。」
けれどその腕を取られ押し倒される。荒々しく唇を奪われ、蹂躙される。
嫌だ、嫌だっ!
「っ!助けてっ!スヴェル様ー!!」
レイオット様にもらった上着を掴む。カインド様がスヴェル様がこちらに向かっていると仰っておられた。
だから!
「スヴェ様っ、スヴェ様!!」
「あなたと一緒にいるのはこの俺だ!」
シェルンに力いっぱい叩かれても、必死に抵抗して彼の名前を呼ぶ。
今の僕の頭の中は彼でこんなにもいっぱいだ。
「覚悟してくださいね。」
たおやかな見た目に反して力が強いシェルンの拘束を外そうと暴れる。落ち着かなければ、力は無意味になる。
恐怖が頭を侵食するけれど、
僕には今、もっと大切なことがある。
「ウェルディ様、ずっとこうしてみたかった。」
けれどその抵抗をもろともせず、シェルンは持っていたらしい縄で、僕の腕を縛る。
冷たい蛇のような手が僕の身体を這う。
気持ち悪い、怖い。
「スヴェ様っ、スヴェ様!」
「だからあいつは来ない!!」
激昂して顔を叩かれても、それでも俺は彼の名前を呼ぶ。
「ひゃっ!」
「そう、そうやって可愛らしく喘いでくださいね。」
女の人にしてはささやかだけれども、男にしてはふっくらとした胸を揉みしだかれる。
気持ち悪い、嫌だ。
「スヴェ、様ぁ。」
きっと今は涙で顔がぐちゃぐちゃだ。
助けて。スヴェ様。
「痛いっ!」
「痛くしてほしいんでしょう?あぁ、ウェルディ様、可愛い。」
胸の尖がりをきゅっとつねられて身体が跳ねる。
「ほんとやばい。もうここはこんなにもとろとろですよ、ウェルディ様。本当に可愛いな。」
「嫌だっ、やめっ!」
厭らしい音を立てて男にあってはならない場所に指の爪先が埋められる。
「たすけて、いや。嫌ー!!スヴェ!!」