小ネタ・単独SS纏め

□お母さんと一緒
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・シュウ@フェンリルは○○のよ(略)


(大人の)お母さんと一緒・仮

昼…いや、すでに時刻で言えば夕方に近い
陰り始めた日を感じ、まだ明るくはあるが屋敷には明かりが灯る
その光に照らされた部屋に、2人の人物が、何やらしきりに会話を交わし
または、手を動かしていた
そんな2人を遠巻きで見ている人物が更に一人
この屋敷の主とも言える存在、ロキである

親友であるトールとの旅や、他の神々に天使への悪戯を終え
意気揚々と帰宅したにも関わらず
いつもあろう妻の…アングルボダの出迎えが無い事を多少不満に思い
自身で探しに来たのだが…
その妻は、息子であるヨルムンガルドと何やら楽しそうに…
夕飯…ではなさそうだ
兎に角、何かを作ろうとしているらしい
相当夢中になっているのか、こちらの気配すら感じていないらしく
一切振り向く事すら無い

(俺様を差し置いて…何をそこまで盛り上がってんだ?)

そんな疑問が湧き上がったロキは、気配を殺し
2人の会話の内容を聞き取る為に、全神経を集中する

「油は駄目なんですか?」

実の親にも関わらず、敬語を使うのはヨルムらしいなとは思う

「悪い訳では無いのだけど…ナカで完全に洗い落とせないとね
酸化して酷い事になってしまう場合があるの
だから、水溶性でさっと流せる物を主体にする事を勧めるわ」

なるほど…と、唸りながら、ヨルムのかき混ぜている物が粘着質な音を立てる

「それと、天然成分に関しても、痒みを引き起こすものは
…そうね、普通の場合だと効果はあるけど、この場合では逆効果だからお勧め出来ないわ」
「解りました」

近くにあった瓶を押しのけ、希釈用の溶液を混ぜ合わせる…
あれは…

何となく、覚えがある
前によくアングルボダと使っていたものなのだから

「あら、あなた」

にこやかな笑みと共に、甘い口調でアングルボダがロキへと語りかける
…ようやくその存在に気が付いたのだ
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