小ネタ・単独SS纏め
□マナ×花魁ナサ
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・にょっきー@ニュクス様のお胸に埋もr
大きな都市を動かすモノ、それは金だけではない。
人々に商品という形を持って多くの金を動かす商人という存在を忘れてはならない。
もちろん、中にはあくどい事をする者も存在はしているが…。
街外れにその存在を静かに湛える大きな屋敷。
決して外観は豪華ではないが、しっかりしており立派な造りから、
そこに住む者がある程度の地位を持っている事が分かるだろう。
その屋敷に一人の青年が近づいてくる。
少し着物を着崩し、どこか遊び人と言った風貌の青年を見た屋敷の門番が深く礼をする。
「これは坊ちゃま、お戻りになられましたか」
「あー、そういう堅苦しいのはいいって」
「いえいえ、そういう訳には…」
そう言う門番にハイハイと軽く手を振り、坊ちゃまと呼ばれた青年は屋敷の中へと入って行く。
中では使用人と思わしき多くの人間が自分を出迎えてくれるが
彼はそういった事には興味なさそうに歩みを進めていった。
「アカ様、また今夜も……ですか?」
使用人の一人が尋ねると、青年…アカ・マナフは立ち止まり軽く頷く。
「あぁ、そうだよ。いいかお前ら絶対に離れには近づくんじゃねぇぞ」
「はい、分かっておりますとも」
離れに向け立ち去って行くマナフの姿を見ながら、使用人達はどこか楽しそうに話し合う。
「あれほど、一人の女には興味を持たないと言っていたアカ様を夢中にさせるとはどのような方なのでしょうか」
「まさか遊女を身請けなさるとは想像もしておりませんでしたし」
「相手の方をお連れした時、ほんの少し覗き見したのですが色白で綺麗な
御方でしたよ」
「そうなのですか。私も一度お顔を拝見したいものですわ」
使用人達の会話を聞きながら、アカ・マナフはくつくつと一人笑う。
「…まぁ、女じゃないんだけどなぁ…」
マナフのそんな呟きは使用人達に聞こえる事はない。