小ネタ・単独ＳＳ纏め
□芽吹く思い
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シュウ@夫婦が揃いました
女扱いされるのは嫌だった
昔から、俺の性別と中身は合ってないんじゃないかと何度も思ってた
けど、神が決めた事なら間違いはない
それでも、どこかでは納得できず
女の懲罰隊と言われているエリュニエスではなく
（あいつらは姉妹で構成されてるってとこもあったから）
男ばかりの懲罰隊に入ってリーダーを務め始めたんだっけか…
「よぉっし！！ テメェ等行くぜ！」
メンバーを引き連れ、地獄へと向かう
ケルベロスに菓子を与えてる間に冥界から天界へと侵入して来やがった
舐め腐った罪人に一発、銀弾ぶち込む為にな！！
「おい、懲罰隊だぜ」
「ああ…あの罪人絡みか？」
遠くから聞こえてくる話し声
地獄どころか、天界まで俺達は恐れられている
誰もが、遠巻きで見ている程度
離しかける者など、ほぼ皆無と言っていいだろう
「…女の尻どころか、胸に釣られた奴等のどこが怖いのか」
「っ！？」
聞きなれぬ天使の声
なら堂々と目の前で言えばいいものを…
無数の天使達の陰に隠れ、声の主を見つける事は出来なかった
―――――――――――
罪人に思い思いの懲罰を与え
マリクの元に放り込むフルコンボを決めたと言うのに
「はぁ…」
…心が曇ったまま
当然、あの天使の心ない言葉が原因である事は明白であって
何も考えず、ぼんやりと冷たい空を見上げる
子供っぽい容貌
なのに胸だけ大きく
分厚くて重いコートを羽織って
一生懸命隠して…それでも、ああ言う奴等は少なからず居る
俺にとっては、コンプレックスの一つ
だから女扱いせずに、男の一人として扱ってくれる懲罰隊は
本当に有り難くて…居心地がいいのに
そのメンバーまで悪く言われてしまう…自分の所為で
「ラハ」
かけられた声
赤い髪がサラリと揺れる
「フェン…」
ナサギやドゥマの紹介で、深く知る様になった相手
今は男だ…けど、月の半分近くは女で
俺と同じコンプレックス仲間のフェンリル