リレー纏め

□ヨルフェン
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シュウ



無意識に吐き出した溜息が予想外に大きく
思わず手で口を押え、静かに残りの息をゆっくりと吐き出す

見上げた時計の針はすでに深夜0時を超え
小さな光だけが部屋を照らし上げていた

(3日目…ですか)

実際の始まりは、それより大分前に遡るが…


ヨルムンガルド
――世界蛇――
そう呼ばれるようになって、どれだけの年月が過ぎたのろうか?
世界崩壊、ラグナロクの際に、蛇としての自分はトールとミョルニルにより砕き殺されました
しかし、その後の世界で天使として昇華(浄化)の過程を経た事により
自分達の見た目は、一部は魔獣としての痕跡を残しながらも
ほぼ天使や人間と変わらないものへと変化し
(そうでなければ自分の本体である蛇の置き場所など何処にもない)
その先には、懐かしい家族との対面が待っていましたっけか…と、思い返す

本当に微かな記憶
母と兄と妹…そして父
危険視されて閉じ込められた過去と今は違う
だから、今度こそ…皆で平穏に暮らしたい
そう願った

(…まあ、父サマに関しては色々問題を起こし過ぎて手に負えず
あらゆる意味で諦めましたが)


ヘルは元々死者を総べる王
今もかつての役職に近い職に就き、天国に居る死者を支え
僕もまた世界の均衡を保つ蛇であったため、それに近い役割に就いて…
兄フェンリルは、ほぼフリーに近い状態で各戦場を駆け巡る
そんな日々を送って暫くした時だった

「フェンリルの行動は目に余る」

そう、上からの勧告が入ったのは


僕らは戦場に表だって出て居なかったから知らなかった
場合によっては味方も巻き込みかねない戦い方
全てを破壊する荒々しさ…他人に対する態度も

こんなに問題を起こしていたら…最悪また…
自分達は引き離されかねない

ヘルと共に可能な限り兄への支援
もといフォローを入れ、注意して、それが認められたのか
何とか今の神からの導きを受け、僕らは本来の力をほぼ取り戻す
もう大丈夫だと、そう思っていた…なのに
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