小ネタ・単独SS其の2

□鞄の中の狂想曲(魔王編)
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瑠羽


「んッ…も…いや…」
「嫌だと?…ここをこんなにして、何が不満なんだ」
「だ…て…これッ…ちが…ひッ!!」
「固くて良いんだろう?ほら、涎が凄いじゃないか。こちらもキュウキュウ絞めてしゃぶってる、淫乱な奴だ」
「ああんッ…ダメ!…ゆび…ぬいッ…て…」

照明を絞った薄暗い部屋の中、密やかに淫靡な会話が響く。

椅子に座っている者とその傍らに立っている者、椅子に座っている者の様子が普通とは違っている。
全裸の状態で、拘束されている訳でもないのに動く事が出来ないようだ。

彼、魔王であるアザゼルの、この様に誰かに服従する姿を知るのは、服従させている本人、傍らのシェムハザ一人だけだろう。

表では冷徹で非情な魔王とその有能な副官、だが裏の顔は、極一部の事情を知る親しい魔王と天使に限り伝えられた密かな関係だ。

「もっと呑み込めそうに柔らかくなっているのに、残念。抜いてやるよ」
「ひあッ!!…はぁ…はぁッ…」

指を曲げ、ぐるりと内側を撫でてから引き抜く、今、アザゼルの胎内にはシェムハザの怒張を模した金属製の張り型が収められ、表面に付けられた不規則な突起が絶えず筒内を刺激し、微妙な振動や動きが大きな衝撃に繋がっているのだ。
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