小ネタ・単独SS其の2

□復体
1ページ/5ページ

それがどちらから始まったのか この場に居る大半のものにとっては、もはや問題では無い

「元智天使…いや、恥(ち)天使の浅はかさといったところか。流石だな」

マリクの【“口”撃】はいつも通り鋭く
対して、周りに居る者はエクソシストに天使・悪魔・果ては罪人ですら(意識が有るものは)ジリジリと距離を取り
少しでもその場から離れようという努力が見て取れた

「いくら大天使サマとはいえ、その口の悪さは戴けません」

真夏であると言うのに、場の気温がガンガン下がっているように感じるのは気のせいのはずなのだが…
この場に居たくない と震え涙を浮かべる者さえいる状況下であるというのに

「ふふっ マリク様ったら楽しそうね」

波に呑まれず、むしろ春や秋のような居心地の良い空間が不自然に存在している
その中で、召喚されたアングルボダが嬉しそうに呟く
ロキは何処か不満気、フェンリルは妙に何かを悟った表情

「応援、必要あるのかな?」

ラハ似の少年【ラティ(愛称)】が本音を漏らす
召喚が切れ、リーダーにしている天使達以外の姿が消えた

「もしかしたら、もありますし」

フェンリルをリーダー天使にしている少女【(通称)イフ】が、保護したチビバニーを腕に抱えながら
マリクと水魔王を眺めている
逃げ遅れたオリンピア(だったか?)の天使達はその場にへたり込んだり
震え上がりながら、同じように行く末を見続ける事しかできない
…封印から解かれたばかりだというのに哀れなことだ

「…恐ろしい」

イフの仲間であるエクソシストの一人 そのリーダー悪魔カイムの呟き
脱出に成功したものですら、こんな感情を抱かせるとは…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ