小ネタ・単独SS其の2

□緩衝地帯
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―数ヵ月後―

緩衝地帯の定期調査、今回はキトリエルとドゥマの組み合わせだった。
正確には[組み合わせだ]なのだけど何故かキトリエルが単独で動いている。

「明らかに仮病なんだけど、いつも無理してもらってるし助かってるから強くは言えないですよね〜」

最近ドゥマに面倒掛けてしまった手前、負い目もあってキトリエルは単独で調査に来ている。
事前情報でも危険は無いようだし、これでも懲罰チームの一員だ、多少の荒事なら問題はない、と誰にも声を掛けなかった。

「あ…この辺だっけ?用心しなきゃ」

ラハティエルによると、この周辺に襲ってくる植物があるらしい…植物なら確かにセキュリティアイテムとして目立たないし効果的だと感心した。
考えたのはシェムハザさんかな?優秀な方だし、元大天使であちらにはアザゼルさんと一緒に異動されただけみたいだし、一度お話ししてみたいなぁ…などと呑気に考えながら調査を続ける、危険度が増しているなどとは考えていなかった。

鬱蒼と繁った中低木の陰で何かがキトリエルの動きを追っているが、彼はまだ気付く様子も無くのんびりと通常通りの植生調査を続けている…


→本編へ続く
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