小ネタ・単独SS其の2
□鞄の中の狂想曲(魔王編)
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何故こんな事になったのか…始まりはバトルイベントのデッキ構成、予想外の面子だったのだから。
マスターは余り強いカードを持っていないのもあり、常設の自動構成デッキでの参加が殆どなのだが、今回は考えていたデッキに必要なカードが集まったとかで、ネタデッキ、と呼ばれる構成で参加している。
勝敗は気にしないので、育成途中やら未育成やらも混ざったスキルが発動したらLuckyデッキになっている。
負け☆生産中だが、マスターが楽しそうだから良いかな…評判も良いらしい。
そんな中、進化済みな育成MAXのカードは貴重で、スキルの発動が期待されている。
しかし、マスターは火属性で俺は水属性、属性ボーナスの付かないお邪魔カードに他ならない上、スキル発動率が余りよろしくない…不発や暴発の連続のまま今日も終わった…流石に凹む。
部屋に戻ると、当然のように今回デッキ入りしてないシェムハザが居て、嫌な笑顔で迎えてくれた。
絶対良からぬ事を企んでいるんだ、あの顔は。
「今日も見事な負けっぷりだったな、何戦連敗している?」
「勝つ方が珍しいよ、嫌み言いに来たのか?」
「いいや、マスターが明日からネタデッキの切り替えやるとかで、お前休みだってよ」
明日から休み…嫌な予感がする。