小ネタ・単独SS其の2

□ある時の出来事2
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「きっと、空間の隔たりを閉ざそうとした魔王の力と
出ようとしていたナサギエルさんの力が拮抗したのでしょうね」

地獄から脱出出来たのはいいが、衝撃で気絶してしまったらしい

「だからこそ、こんな遠くまで飛ばされたのかもしれません」
「遠く?」
「ここは…世界の端にある島国、イザナギさん達の守る領域です」

本当に…普段居るところから遥かに遠くの場所であった

「思いがけない旅行になっちゃったね」

状況に苦笑いを浮かべ、思いを吐く
そんな2人の間を何かが通り過ぎて行った

「え?」

何か、小さい光が…

目を向けた先、草むらに星が数個 瞬いている
小さく輝き消え、再び光が灯り
綺麗で、目を奪われていた

「ホタル…ですね」

彼は知っているらしい

「ホタル?」
「ええ、小さくて儚くて けど、多くの人々の心を打つ そんな命です
…もう少し、近くで見てみましょうか」

草むらギリギリまで近づき、改めて目を凝らすと
空に輝いているのと負けないほどの光の波

「すごい…」

屈んでずっと輝き続けている光に指を伸ばす

「駄目です!!」

鬼気迫るような声にナサギは飛び上がった
遮る様に、ヨルムが光へ手を伸ばし、少しの時間を置くと…

「えっ?」

紐のような何かが、彼の腕に巻き付く
持ち上げて見えたのは…蛇

「え…あれ」

さっきは小さな光が確かに飛んでいたのに

「ホタルの光は、蛇の目の光とよく似ているんです
この子は…毒は比較的弱めですが、噛まれた際の感染症が怖いので」
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