夜に舞う蝶

□9.夜闇からの解放
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・主人公視点





あんなことがあったんだから。


周囲が私を見る眼は、当然今まで通りにはいかない。


疑惑の眼、非難の眼、興味に光る眼……。



そんなものは、どうってことないんだ。




だけど、


大切な仲間が傷つくのだけは、耐えられない。








……、私は、氷帝から去る時、手放せるものは可能な限り手放した。



でも……、テニスと、……この胸に秘めた思いだけは、どうしても手放すことができなかった。





だから私は、夜のコートで、一人ラケットを振ることしかできない。




……苦しい。
でも、誰にも救いを求めることはできない。


これは私の戦いだ。



独りで、キリをつけなければならない。



――ずっと、そう思ってきたのに。









……、……ありがとう、皆……。




精市くん。






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