倉
□ある日
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「アーンパンチ」
いつも通りあいつに負けてぶん殴られた。
今日はだいぶ飛んだらしく、視界は360°緑色。
重い体をゆっくり起こす。着地に失敗したらしく、体中の至る所が痛い。
「大丈夫?」
聞き慣れた声。ばっと振り向くとあいつがいた。
「まだ何か用なのか?」
立ち上がろうとしたがうまく行かず、しりもちをついてしまった。
「そろそろ僕も幸せ掴もうと思ってね。」
ゆっくり近づいてくる。
ああ、本当に俺様はやられる。
もういいかげん、うざくなったのだろう。ぐっと肩を掴まれる。
「そんなに怯えないでよ。」
もう少し生きたかったな。
ドキンちゃん、俺様がいなくてもちゃんと生活していけるのかな。