庫
□えいえん
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君のその、あたかも三歳児のような質問が好きだった。
「どうして」「なんで」
君はずっと繰り返す。
それはもう馬鹿の一つ覚えみたいに。「そういう風に出来ているのだから」という理由では納得しない。
さっさとあきらめなよ。僕はもうずっと昔に、受け入れたって言うのに。
君がやめない限り
僕もやめられない
君に負けるような弱い男だったら、君にしめしがつかないし。
だから今日も大好きな君を殴って、蹴って。それはもう力いっぱい。
痛いだろうな。
僕も痛い。
キズが治らなければいいのにね。そしたら、もう殴らなくてすむかもしれない。
「なんで勝てないのだぁ?!」
君のそのあたかも三歳児のような質問が好きだった。
だってそれはさ。
●おわり●