純情

□はればれ
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やっと重なった休みの日が、どうしようもなく天気がいいなんて奇跡としか思えない。

「ヒロさん、起きてください!」

疲れているのは知っている。だから一分でも多く寝かせてあげたかった。だけど、カーテンを開けたらあんまりにも水色が綺麗で、ベランダに出て外に入ったらいてもたってもいられなかった。

布団の中のヒロさんは、眠そうに目を擦るけど、俺を見ると不機嫌そうな目が和らいだ。あ、すごく幸せ。

のそのそベッドから出てきて、二人で朝ごはんを食べる。俺が入れた、コーヒーを飲んだくらいからヒロさんは目を醒ます。

「・・・確かに天気いいな。」

振り返って窓を見るヒロさんの横顔に、綺麗だ、なんて感じつつ、この天気の素晴らしさを売り込む。

「ヒロさん、ピクニックしましょう!」

言った瞬間、ヒロさんの眉間に皺がよった。

「こんなに天気がいいんですから、外でごはん食べましょう。」

少し前に、病院の子供達と病院の庭でピクニックをした。子供達は喜んでくれたけど、やっぱりそこは、いつもの庭で、いつまでたってもここからは出してあげられない。あの時の灰色の感情がわだかまって消えない。

「お前、俺達いくつだと思ってんだよ。」

「公園でコンビニのおにぎり食べるサラリーマンだっているでしょう?」

ヒロさんは、正論に弱い。

俺はなんとか、ヒロさんを連れ出すことができた。

お弁当を作る、というと「疲れてんだからやめろ」と言われた。ヒロさんは、思うところがあるらしく、ハンバーガーを買おうなんて珍しいことを言った。なんでも、少し前にそんなCMがやってたらしく、アイデアが画期的だと言った。





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