宝物

□フリーss:ニコヤさん
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今日は食様の誕生日。

気合を入れてオシャレして、とっておきのプレゼントを用意して、食様のもとに向
かった。
当然そこには辛がいて。
強引にプレゼントだけは受け取らせて、皮肉を込めておめでとうを言って、全力で
帰ってきた。
分かってたことだけど。
あふれた悔しさは、私を凍えさせた。

「お帰りなさい」
帰ってまず、ソファーに身を投げ出した私に、そっとココアを差し出してくれる骨。
甘やかさないで、好きになっちゃいそうだから。
そういうと、それを狙ってるんだからって笑われた。
「外、寒かった?冷たい」
「ん…骨って意外と温かい?」
「ドキンちゃんが冷えすぎなの。ほら、ココア飲んで」
特別甘いココアだった。
「聞いて、食様ったら、私がドアの前に立ってるのを見たときにね、」
自然と話し出していた。
話すうちに、また悔しさとか悲しさとかがあふれてきて、ココアに混じった。
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