★一次創作
□学戦兄弟ホモ1話
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「兄さんと俺は違うよ」
眉をよせてくしゃくしゃに歪めた瞳は濡れていて、
それは子供のとき、喧嘩した後怒っておもわず
「きらいだ」
と言ってしまった時の顔に
よく似ていた。
「臣?」
二卵性で自分とあまり似ていない双子の弟、臣。
静かに名前を呼ぶと
俯いたせいか赤茶色の長い髪の毛に隠され顔が見えない。
そのままどこかへ消えてしまいそうで
俺は臣に手を伸ばした
が、
それは臣の声によって遮られた。
「ごめん、なんでもない」
困ったようにそういって笑った臣に
俺はなにもいえなかった。
だからだろうか
翌日、臣は姿を消した。