君と見た空

□新しい世界へ
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side heroine.


家の近くの海岸へ散歩に来ていた。
天気は晴れ、波も穏やか、心地よい風が吹いている。
そんな、午後のことだった。

『…何?』

沖の方にやたらと高い波が見える。
ここのところ大きな地震もなかったし、津波が来るなんて話聞いていない。
けれどもし本当に津波なのだとしたら、周りにも逃げるよう伝えなければ。
そうして走り出そうとした次の瞬間。

私の体は、水の中に飲み込まれていた。
そこから先の、記憶はない。


そして、

「奥方様、生まれましたよ!」
「双子の姫様ですわ!」

私の記憶の続きは、ここから始まっている。
戦国時代、公家の姫として。

奥方様と呼ばれた女性が私を抱き上げる。
視界の端に映った小さな手に、自分が赤子になっていることを知らされた。
信じられないことが起きているのに、なぜか冷静に状況を判断している自分がいる。

「姫、煌姫」

女性が私を見てそう言った。
これが、私の新しい名前。

横を見れば、近くにいた男性の腕にも、同じように赤子が抱かれている。
後から知ったことだが、この赤子は私の双子の妹──珱姫。
目の前の男性の顔と、この妹の名前に、私はよく読んでいた漫画の内容を思い出す。

予想が確信に変わるのは、その後すぐのこと。


私は、ぬらりひょんの孫の世界へ。
その中でも、400年前の京へと転生した。
将来、ぬらりひょんの妻となる、珱姫の双子の姉として。





to be continued... (back)

 

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