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□玉子焼
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「ふぁ〜あ…おふぁよ、やす」
朝、起きると必ずご飯が出来上がっている。
キッチンにはエプロン姿のやすがいる。
やすは、笑顔で振り向いて毎朝同じ言葉を言う。
「おはよぉ、たーくん!顔洗ってきぃ?早よご飯食べようや♪」
俺は決まって同じことを返す。
「ん。てか、朝からテンション高ない?すごいなぁー…」
やすはずっとニコニコしていて、自然と俺の瞼も軽くなっていく。
顔を洗って席に着くと、必ずおかずの中には玉子焼。
やすのあまーい玉子焼。
「「いただきまーす!」」
………?
「やす、なんか悩み事でもある?」
「えっ!…そんなんないよ!あははっ」
「やす。」
少し低めの声で言うと、やすは黙り込んでしまった。
そしてゆっくり口を開き話始める。
「あ、あんな?…」
………………………………
「そうやったんや。…今度からはちゃんと言うんやで?」
「うん…!おおきに!…けど、なんで俺が悩み事あるって思ったん??」
「それはな?…愛の力や。」
「………。ごちそーさまでしたー」
「あ!嘘やってやすー!!」
ほんまは玉子焼の味。
今日のは少ししょっぱめやったからな。
これもある意味、愛の力やんな?
fin.
やすくんの悩みは想像にお任せいたします(⌒▽⌒)