Diable or Ange

□戯れ
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「夏休みまで1カ月半きりましたが
もう少しすると候補生認定試験があります。」


雪男は自分の受け持つ授業の終わりに
琉海ら生徒に説明をしだす。


皆(燐以外)は真剣に話を聞いている






「そこで、来週から候補生試験のための
強化合宿を行います」




(合宿!?)


メフィストから一度も聞いていなかった
琉海は驚いた。



他の生徒も驚いているらしい。




さらに、雪男は続ける。
「今から配る用紙に
合宿に参加するかしないかと
取得希望称号を書いてください。」


そして、小さな紙が渡された。


「……称号ってなんだ?」

燐が独り言の様に呟き、
琉海の方を見る。


『ん?』

「ほら、この……」
と、用紙に書いてある称号と言う字を
指差そうとしたとき、

「何や!お前そんなんも知らんのか!?」

竜士が大声を出す。

その声のせいで
燐は全生徒に注目された



「っ!なんだよっ!!わりぃかよ!!」
顔を赤くさせながら言う


「……そんなんも知らんと
サタン倒す言うてんか……。
呆れた奴やでお前……」




「何だよ……世の中にはそう言うヤツもいんだよ。」
完全にいじけてしまった。



「称号のこと聞くんやったら、
若先生に聞くのが……あ、」

と、竜士は途中まで話し、
思い出した


(……めんどくさいことになりそうな予感。)
琉海は気配を消そうと頑張ったが、
努力もむなしく、



「そう言えば、琉海
全称号持ってたハズやな?」
と指を差されながら言われた。



『……はぁ。一応。』


「なら、話早いわ!
この阿呆に教えたってくれ♪ 」


琉海は渋々説明を始めた

『称号は祓魔師の資格のことで
称号は
騎士・竜騎士・手騎士・
詠唱騎士・医工騎士の5種類ある。』

「……その称号ってどう違うんだ?」

『簡単に説明すると
騎士は刀を武器に戦う。
中には魔剣を使う人もいたりする。

竜騎士は雪男みたいに
銃が武器。

手騎士は使い魔を召喚して戦う。
この称号を持つ人はすごく少ない

詠唱騎士は聖書や経典を詠む。
そして、医工騎士は…まぁ、医療的な感じだ。
戦いはしない。

何の称号を取るかによって
戦いかたも大きく変わる』



「ヘェー。」
これでもすごく簡単に
説明したつもりだったが、
燐はあまり理解出来てないようだ。


「僕と志摩さんは
詠唱騎士目指してるんよ

坊なんて詠唱騎士と竜騎士2つとる言うて
気張ってはりますわ」
と、子猫丸が言う。


「へぇー、さすが坊。」

「気安く坊言うな!!!」
竜士が怒鳴る。




あ、そう言えば……


『雪男も2つ持っているはず。』
琉海は思い出した様に言った

「え!?
アイツ2コもとってんのか!?
さすが、オレの弟だなっ!」

自慢そうにへへっと笑っている


「確か竜騎士と医工騎士でしたっけ?」


『あぁ。』
琉海が頷くと
竜士は怪訝そうに聞いてきた

「何で琉海は
そんだけの実力があるのに
祓魔師とちゃうんや?」


『それは……』


正体がバレたら大変だからとか言えない。



『はじめに全部取ってからなりたかったから……』

咄嗟に嘘をつく。



「変わったやっちゃな」
竜士はまだ納得していないようだが
深く詮索してこなかった。



「それで……?
奥村はんは、何希望しはるん?」
子猫丸が燐に尋ねる。

燐は腕組みをして考える
「んー」



『燐は騎士がいいんじゃないか?』
琉海は提案した


「騎士?」
燐が聞く


(さっきの説明……
聞いてなかったのか……。)
琉海は軽くショックを受けた


「さっき言っとったやろうが!
刀使って戦うんじゃ!阿呆!」

またもや竜士が怒鳴る


燐はそんな竜士を無視した
「刀!!!」
と、目をキラキラさせている




突然燐は教卓の前に立ち





「よし!!オレは今から騎士だっ!!」
と、意味不明な宣言をした。


((((……本物の馬鹿だ))))


誰もがそう思っただろうが、
あえて、だれもつっこまなかった
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