Diable or Ange

□証
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「おう!琉海!!
遅かったな!!」
と手を振っているのは燐だ


『場所を間違えて……』
素直に答えると

「オレも一回間違えたぜ☆

ま、琉海よりは早く気付いたけどな♪」
と、どや顔で報告された。


「それは僕がいたからだろう?」

雪男の的確なツッコミに
燐は慌てる。

「 ギクッ!





ま、まぁとにかくだ!!
部屋決めだー
部屋決めー!!!」

燐はごまかすように言った

「そやなー♪
部屋決めないけませんねー

ぜひ僕を女の子と同じ部屋に!」

志摩が突然話に加わってくる
勿論、3人一緒に来るわけで

バッチリ竜士と目が合う。



"好きや━━━━"

何度もあの言葉が
頭のなかでリフレインする。







「ん?琉海どーしたんだ?
顔赤いぞ、熱でもあんのか?」

と燐が顔を覗き込んでくる。
そして、手を琉海のオデコに当てた


「んー、熱はねーな」

『あの……大丈夫だから。』

私は少し後ずさる。



『それよりも、
早く部屋決めしようよ。』


おう!そうだな!!と燐や志摩らはノリノリで
部屋決めに参加した。




その結果、
というか雪男の強制的な判断で

出雲と朴、
子猫丸と志摩、
しえみと雪男、
燐は一人


そして、私と竜士

というペアになった




「よっしゃぁーーー!オレ一人部屋♪」

燐はかなり喜んでいる。
反対に志摩は

「何で坊は琉海ちゃんとやのに
僕は子猫はんとなんやぁー(泣)」

と、膝をついて悲しみに暮れていた


「……志摩さんヒドイ(泣)」
それには子猫丸もショックを隠しきれない様子だ。




それにしても……



(よりによって、どうしてこんなときに…)

ちらっと顔を見る



竜士も少し複雑そうな顔をしていた。




「では、部屋決めも決まりましたし、
各自自分達の部屋に行って、
荷物を置いてきてください

次の授業までの時間は
自由にしていただいて結構ですので」


では、一時解散


と言う雪男の声に合わせて
皆がゾロゾロと階段を上がっていく





琉海と竜士は二人立ちつくしたままだ





突然、竜士がこちらを向いた

琉海も自然と竜士の方を向く






………………



暫くお互い沈黙が流れる







(何から話せば……!?)
琉海が悩んでいると

徐に竜士が口を開いた

「……取り敢えず、上、行くか……?」


『う、うん。』

私は首を縦に振る。
そして、階段を上がる。
部屋はと言うと、
琉海が元々使っている場所だった。

いつも部屋に戻ってくる時のように、
琉海は扉を開ける
そして竜士に部屋へ入るよう促した





琉海の部屋は
ベッドや机など
必要最低限の物しか置かれていない
結構殺風景な部屋で、
少しも女の子と言う感じはしない。


だが、 琉海っぽかった。






竜士が部屋に入ると
琉海も中へ入る



バタンッ━━━













またもや静けさが走る








そして、また破ったのは竜士だった。



「土曜は突然悪かった。

でも、あれ、本間の気持ちやから。」

『……うん。』
私は頷く


「返事は無理にとは言わん。
イヤやったらイヤや言うて欲しい。


俺はいつまででも待っとくから
すぐに答え出さんでもええ。」

ポンポンっと頭を撫でられる





(━━あぁ。
竜士に撫でられると安心する)


『ありがとう……』




やっぱり、この人にはちゃんと
伝えなければならない。


だってこれだけ想ってくれているのだから。



琉海は口を開いた

『あの…別に竜士が嫌なわけでも何でもない



ただ……』



やはり、そこで止まってしまう。
琉海は俯く。




「ただ?」


『ただ……私は……』


(これ以上言うのが怖い……)







"言ってしまったら……
















ハナレテイク━━━━━━"




そう思うと肩が震え出す



「っ!?おい!! 琉海!?」
竜士が琉海の名前を叫ぶ
ガシッと肩を掴んで揺する。






だが、 琉海にその声は聞こえていない



「 琉海!! 」
もう一度名前を呼ぶ
そして━━━━━━━━━
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