俺は俺

□俺は俺 2
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「赤也、待てよ!」

『隆二はやくしろって!』

俺はラケットバッグを持って、勢いよく駆け出した。
後ろからは幼馴染みである隆二が、必死に追いかけてくる。

今日は日曜日。
つまり、小学校は休みな訳だ。
そして、俺と隆二はテニススクールの日。

俺は去年から始めたテニスが、楽しくて仕方がなかった。

正直言って、俺はセンスがあると思う。
同い年のやつらにはどんどん差をつけてるし、年上のやつらにだって、負ける気がしない。

やればやるだけ、上手くなっていった。
俺は完全にテニスの虜になった。

そして、だからこそ週に一度のこの日が楽しみでしかたなかった。
ラリーならいつも放課後に隆二とやっているけれど、スクールに行けば他の小学校のやつらとも試合ができるからだ。

そんなこんなでテンションの上がっていた俺は、周りが全く見えていなかったんだ。
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