俺は俺
□俺は俺 2
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どこを見てもなにも見えない。
そんな暗闇をただひたすらに進んだ。
どれだけ歩いただろう。
数分か、はたまた数日か。
ただ一向に景色に変化はなくて、ついに俺はその場に座りこんだ。
『ここ…どこなんだよ…』
そんな呟きさえも、暗闇のなかに飲み込まれてしまった。
「おい」
しばらくの間うなだれていると、今まで俺と暗闇以外なにも存在しなかった空間に、俺以外の"誰か"の声が響いた。
慌てて顔をあげると、俺の目の前にはいつの間にか高校生くらいの青年が立っていた。
初めて会うはずなのに…なぜか初めてじゃないような不思議な感覚になった。