俺は俺
□俺は俺 2
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『…あんた、誰?』
そう問いかけると、青年は少し困ったように微笑んだ。
「俺は、お前やで。」
『…は?』
思わず、間抜けな声を出してしまった。
だって、言っている意味がわからない。
俺は俺であって、こいつが俺であるはずがないのだから。
「…俺は、お前が忘れた昔のお前や。
前世の…お前。」
そう言って青年が俺の頭の上に手を乗せると、一気に俺のなかに様々な記憶が流れ込んできた。
『……っ!!?』
府大会ベスト4で負けたとき。
英語で赤点とったとき。
失恋したとき。
そして、どの記憶にも"アイツ"がいつもそばにいた。