俺は俺

□俺は俺 4
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「赤也ごめん!!」

『ええでー!
取ってくるわ』

必死に謝る隆二に大丈夫だと伝えると、今度は俺がボールを取りに行く番なので、駆け足でコートを後にした。
ちなみに、今日のホームランは今ので三本目だ。

あ、あったあった。

ボールは案外すんなりと見つけることができた。
なので早くコートに戻ろうと駆け出そうとした時、不意に後ろから名前を呼ばれた。

「切原…赤也…?」

しかも、フルネームで。
足を止めて振り替えると、そこには知らない男性が立っていた。
まるで幽霊でも見ているかのごとく、目を見開いている。

『おっちゃん、誰やねん』

少しムッとして声をかけると、男性はさらに目を見開いて
「何で関西弁やねん」
と呟いた。

『おっちゃんかて、関西弁やん』

「はは、確かにな」

そう言って困ったように笑った顔は、どこかアイツに似ている気がした。
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