俺は俺

□俺は俺 4
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どくん、と心臓が大きく跳ねた。

だって…今、何て言うた?
今…

『…愁也て言うた?』

確認をとるようにじっと見つめると、男性が小さく頷くのが見てとれた。
もう俺の頭のなかは、パニック状態だった。

『おっちゃん…齋藤愁也を、知っとるんか…?』

自分の前世の名前を口にすると、パニックやら嬉しいやらで抑えきれなくなった涙がポロポロとあれだした。
そして、いきなり男性に思い切り抱き締められた。

もはや頭の中が、パニックを通り越してショートしそうや。

「信じられへん……
愁也なんなろ…?

それ、俺があげたピアスやないか…


俺や!!悟や!!!」

聞こえてきたのは、紛れもなく前世での親友の名前だった。

やっと親友の包容から解放されてから、まじまじと親友を見て…

『なんや、悟老けたな』

最初に俺から出てきたのは、この一言だった。
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