兄と妹
□兄と妹 4
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幸村side
真田の提案によって、莉緒と赤也の試合が始まった。
赤也のプレースタイルは相手を傷つける危険なものだが、俺はなにひとつ心配はしていなかった。
なぜなら、莉緒にはそれを防げるほどの実力があるから。
この試合は、4ゲーム先取した方の勝ちである。
莉緒のサーブから、幕を開けた。
「赤也!!
いくでー!!」
高く放たれたボールを、勢いよく打ち込む。
そして打ち返そうとかまえた赤也だったが、ボールはリバウンドすることなく…さらにはネットまで転がって戻った。
あれは…。
「手塚の、零式。
莉緒、青学に会ったことあったのかい?」
『おん!
この間、大阪に来てん!!
赤也、まだまだいくでー!!』
次に放たれたのは、越前のツイストサーブだった。
しかし赤也がなんとか返し、ラリーが続く。
『赤也、上手いけど無駄多いで!!!』
「…っんだと」
先に仕掛けたのは、莉緒だった。
「あれは…白石の円卓ショット。」
今度は赤也のコートにきれいに決まった。