おがふる連載

□第7話
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第7話
古市貴之、真夜中の出来事。



時はさかのぼること1時間前。



真夜中に古市はまたもや見つけた悪魔を追いかけていつものように魔界へ送り返した。

そして帰ろうと踵をかえしたそのとき。

「ふるいち…?」


古市は構わず歩き出した。

が、腕を掴まれた。


「古市!」


古市はため息をついて振り返った。


「なに?男鹿。」


そこには先日古市に散々罵られた男鹿の姿。



「…用がないなら帰るけど?」


男鹿が黙ったままなので先に古市が口を開いた。


そう言って腕をふりほどこうとすると


「待てって!」


男鹿が叫ぶ。


はぁ、と古市がまたため息をついた。


今深夜だぞ。
近所迷惑だろ。

とは言わないかわりにひたと男鹿を見据える。


「どこ行くんだよ。」

男鹿がたずねてくる。


「はぁ?帰るっていっただろ。」


「お前の家は反対方向だろうが!」

男鹿がまた叫ぶ。


「俺の家は人間(ここ)にはないよ。」


「はぁ?ふざけんなよ。モブ市の…」


そこで男鹿の言葉は止まった。

古市の腕を掴んでいた手を振り払われたのだ。


「ふるい…」

「俺の居場所はここじゃない。俺の家はここじゃないんだよ。
気になるならヒルダさんあたりにでも聞くといい。」


古市はまたもや不適に笑って言った。


「なんで!ヒルダが…」

男鹿が言い終わる前に古市の背後には扉が現れ古市はその中に消えた。

男鹿が追う間もなく扉は消えた。



「まて!古市!どこに…」






「教えてやろうか??」


男鹿は自分の背後からそんな言葉を聞いた。
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