おがふる連載
□第8話
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第8話
古市貴之、ヒルダさんとご相談。
「実はな
男鹿辰巳のことなのだが。」
古市は黙り続きを催す。
「昨日のことだ。
あやつにあっただろう?」
ヒルダは確認するようにたずねる。
「えぇ、会いましたよ。平常心ではなかったので今話をしても無意味だと思いましたからとっとと逃げましたが。」
「そうだな。
あやつは今平常心ではいられていない。
まったく、坊ちゃまの親として相応しいとは思えぬ。」
お小言を言うヒルダを微笑ましく見る古市。
本当にベル坊のことを大切に思っているのだということがわかる。
その視線に気づいたヒルダが咳払いを1つして話をもどした。
「それでだな…。
あやつ昨日の夜、散々私にいろいろきいてきてな。
安心しろ。
魔界に住んでいるということしか話しておらん。
しかしあやつ。
古市、貴様のところ、
つまり魔界に乗り込むと言い出したのだ。」