おがふる

□もう死んでたんだ 4(終)
1ページ/4ページ

目が覚めるとそこには白い天井があって。

あぁ、死んでないんだ。

そう思った。

「…古市!!!!」



ずっとそばにいてくれたのであろうやつにそう呼ばれてはじめて俺は人がいたことに気づいた。

「…男鹿…」




「馬鹿やろう…

何であんなことしたんだよ…」


男鹿の表情が歪んでいく。

そんな顔、させたいわけじゃないのに…


そういえば


どうして俺は病院なんかにいるのだろうか?

たしか飛び降りたのだ。

屋上から飛び降りたのは覚えているがなぜ生きているのだろう…


「男鹿…」

「!なんだ!古市!」


「どうして…俺、生きてるんだ?」




そう聞くと男鹿は話してくれた。


俺は病院にきてから3日間寝たきりだったらしい。

その間なんと男鹿は寝ずに看病してくれていたという。

寝たきり患者の目がさめたのにお医者さんを呼ばないのかよ!
というツッコミはしなかった。




俺が屋上から飛び降りてなぜ助かったのか。





男鹿がとっさに柵を飛び越えて俺の腕をつかんでくれたらしいのだが。

なぜか俺は気を失ってしまいそのまま目覚めなかったらしい。

医者の話だと精神的に負担がかかりすぎたのが原因らしい。


そこまで話し終えると男鹿は黙った。

しばらくの沈黙が流れた。



沈黙を破ったのは男鹿だった。

「…古市…」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ