おがふる
□my world 後編
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男鹿辰巳は気がつくと知らない場所にいた。
周りには一面には木々がある。
森のようだ。
目の前には奥へ続くと思われる道があった。
しかし道は茨でふさがれている。
そして茨の向こう側には少年が1人立っていた。
綺麗な銀色の髪。
綺麗な銀色の瞳は男鹿をまっすぐみつめていた。
年は小学校5、6年ぐらいだろうか。
「帰って。」
少年はひとことそう言った。
「古市は、この奥にいるのか?」
「帰って。」
男鹿の質問には答えずに少年はそう言った。
「なぁ。頼むから…」
「帰って!!」
男鹿の言葉を遮るように少年は叫んだ。
言葉とは裏腹に少年は今にも泣き出しそうだ。
「…たのむ。通してくれ。」
「…」
男鹿がそう言うと少年は何も言わずに銀色の光となって消えていった。
少年が消えたあと、道を遮っていた茨が道をあけた。
男鹿は迷いなく進んでいく。
未だに眠っている友人のため。