おがふる
□会いたい会えない会っちゃいけない
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俺、古市貴之はただいまたいへんピンチだ。
「眠れねぇ…」
はい、そうです。
眠れません。
ただいまの時刻は日付が変わって2時間もたってないくらいです。
いやいや。初めはちゃんといつもどうり、いや。いつも以上に早く寝たんですよ?
あ、ほら。
昨日?から男鹿が邦枝先輩と修業に行っちゃって。
俺はその他のクラスの皆さんとベル坊の兄貴をさがしてたらゲームで対決ー。みたいになっちゃって…
まぁ日時は明日なんですが…
そのためにも早く寝たんですが…
ヘンな夢を見ちゃって眠れなくなったんですよね…
まぁたいした夢じゃないんですけどね。
初めはね。
男鹿と俺が暗いトンネルみたいなところを2人で並んで歩いてるんですよ。
しばらく歩くと遠くに出口みたいなのが見えて光が漏れてるんです。
すると急に俺の足が何かに引っ張られて転んじゃうんです。
でね。足元を見ると黒い手みたいなのが俺の足を掴んで離さないんです。
俺ね、『男鹿』って呼んで助けてもらおうと男鹿の方を見るとね、今まで2人だったのに男鹿の周りには沢山の人がいるんです。
背中にはベル坊、両隣にはヒルダさんや邦枝先輩。
ほかにも神崎先輩や姫川先輩、烈怒帝瑠のみなさんがいて。男鹿がすっごく楽しそうに話してるんです。
俺ね。声がかけられなかった。
あんまりにも男鹿が楽しそうだったから。
あぁ、男鹿が俺以外の人と話しながら笑ってる。
男鹿の周りにはたくさんの仲間がいる。
そう思うと俺すっげえ嬉しくなったんです。
それであぁ、俺が入ってジャマしちゃダメだなって思いました。
それで
まぁいいか。男鹿、笑ってるから。
って思って男鹿たちが光のなかに消えていくのを見てました。