おがふる

□ねぇ、「ボク」が泣いてるんだけど 3
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その日も古市はイジメられていた。


お昼休みに体育倉庫に閉じこめられたのだ。


「開けて…!だれか…。開けて!」


そんな声聞こえるはずがない。


はずだった。


昼休みの終わりを知らせるチャイムがなってしばらくたつといきなり倉庫の扉が開いた。


そこに立っていたのは古市の担任の女教師だ。


この人は化粧が濃すぎるし香水もきついし、
授業中なんかチラチラ見てくるし、ムダにベタベタ触ってくるし。

正直古市はこの女が嫌いだった。



「あらぁ。どうしたのぉ?古市くん。」


その女担任はそう言いながら体育倉庫に入ってくると後ろ手で扉を閉めた。


古市は背中に悪寒が走るのを感じた。


女は古市にどんどん近づいてきた。


女のきつい香水の匂いに吐き気がする。


「怯えなくっていいのよぉ。古市くん。」


女がかがみ古市は壁に押さえつけられた。


必死に抵抗しようとするが女といえ相手は大人だ。
抵抗のしようがない。


女の顔が近づいてくる。


古市ははじめは何をされたかわからなかった。

古市の唇と女の…



「うわぁぁぁ!!」


「ちょっ。暴れないでよ。」



イヤだ。気持ち悪い。


女は無理やり床に押しつけようとする。


どうにかしないと…


「っだれか!!…だれか!!!!」

「ちょっと!静かにしてよ。

イイコトしてあげるから!!」


古市が必死にもがくがどうしようもない。

もうだめだ。


そう思ったとき。



「何をしてる!!」


そういう声が聞こえて古市の上に乗っていた女がどかされた。


「大丈夫か?」

そう言う声が聞こえる。

安心したのか古市の意識はそこで途切れた。
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