おがふる

□ねぇ、「ボク」が泣いてるんだけど 4
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古市がいた。

真っ白な世界に。

古市…

そう呼びかけると古市は振り返って笑った。

それは本当に本当の古市の笑顔だった。

あれ?この笑顔を最後に見たのはいつだっただろう。

そんなことを思っているとふいに白い世界が染まってきた。

真っ赤に。

それは本当に真っ赤な…

例えばルビーのように美しく。

例えば血のように不気味な。

『紅』だった。

その『紅』は世界を染めると今度は古市を染め始めた。

古市!

俺は叫んで古市に手をのばそうとした。

しかし。

ふるふると頭を振り微笑む古市が。

その笑顔は…

寂しそうな笑顔だった。

そして古市は真っ赤に染まった。
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