おがふる

□ねぇ、「ボク」が泣いてるんだけど 5(終)
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暗がりの部屋で見つめ合う2人。

「…古市…」
先に沈黙を破ったのは男鹿だった。
「…ごめん…」
古市は弱々しく呟く。
「…あやまんな…ばかが。」
男鹿がバツが悪そうに顔をナナメに逸らして言った。
「…ごめん…」
消え入りそうな声で呟く古市。
「…っ、あやまんなっつってんだろ。」
男鹿が少し強めに言った。
そこでまた沈黙がながれた。

「悪かったな…古市。」
男鹿の言葉に肩を震わせる古市。
「俺さ、お前が側にいるのが当たり前だと思ってたんだ。
でもさ、居なくなって気づいたんだ。
俺にはお前が必よ『聞きたくない!』
男鹿の言葉を遮り耳を塞ぐ古市。
「たのむ!聞いてくれ、古市。」
古市の両手首をつかむ男鹿。
「…イヤだ!聞きたくない。」
抵抗する古市。
「古市!」

どうすればいい。
どうすれば古市にこの気持ちが伝わる。

「はなして…おが…っん!」
とっさに男鹿は古市にキスしていた。
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