おがふる
□僕の心と…
1ページ/3ページ
ただ、側に…
君の側にいられるだけでよかった。
男鹿が東条に負けたあの時、ベル坊を失ったとき…
ほかにもいろいろ男鹿が落ち込んでいたとき。
俺は俺なりに支えようと思った。
弱い俺になにができるだろう…
そう考えたとき、出した答え…それは、…そう。
いつもあいつの側で笑っていること…。
とにかく底抜けに明るく、鬱陶しいくらい、ポジティブに…。
いつか君が消えてしまうのではないかと、不安になったときだってあった…
あの日、男鹿が俺が拉致られて落ち込んでいたとき。
…目を離した隙に君が消えてしまいそうで不意に力があるわりにはほかの奴らよりも細い、しかし筋肉質なその腕を握りしめて…
笑って、大丈夫だよ。
そう言った。
男鹿はいきなりがしっと俺の両肩を掴んで、
「俺の側から離れるな。」
って…。
「これからはちゃんと俺が護ってやるから。」
って…。
…そして最後に、
「愛してる。」
って、言ってくれたよね。
俺、嬉しくて…でも、怖くなった。
俺の偽りの強さを…いつまで君に見せ続けていられるだろうか。
男鹿は言った。
俺は強いって…。
ティッシュ事件のとき、そう言ってくれたよね。
もしそれが…偽りのものだと知ったら君はどう思うだろうか。
俺のこの情けない本性を…
いつまで君に隠し続けていられるだろう…。
笑って必死で隠して…
俺はお前に
「愛してる。」って言ってしまった。
それ以上の言葉なんてあるのだろうか?
そんな言葉じゃ言い表せなくて…伝えたいのに、言葉が見つからないんだ。