おがふる連載

□第3話
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第3話
古市貴之、またまた学校に通うことになりました。






今俺は今自分の教室の扉の前にいる。
わざと遅くきたのでもう中には早乙女先生がきてHRをしていることだろう。

俺は深呼吸をした。
「いつも」通り、バレないように。
大丈夫。

俺は躊躇無く扉を開けた。


一斉にクラス全員が後ろを振り返った。
そして驚いたように見てくる。

「あ、みなさん。おはようございます。」

俺は「いつも」のようにへらっと笑って言った。

「遅刻だぞーおい。しかも4日も無断欠席しやがって。」

早乙女が言う。

「いやー。すいません。」

そう言うと俺は自分の席に座った。


サボりっすか〜。
サボ市〜。



なんてクラスの人たちが茶化してくる。

ひどいっすよ〜なんて「いつも」のように言った。

男鹿は

俺に何も言わないでなんで勝手に休んでんだよ。

って言って睨んできた。


は?しゃーねだろ。俺にもいろいろあんだよ。


って俺は「いつも」のように返事をかえした。


「おいおい。来てそうそうケンカすんなよ。お前ら。

じゃーお前。自己紹介の続きしてくれ。」



「はい。改めまして、ローザ・ルティーナと申します。
皆さん。どうぞよろしく。」


「え!なになに転校生??

ちょー美人じゃないっスか!!!!

な!!男鹿!」


「いや…な!って言われても知らねーし。」



クラスの人たちは


また始まった。

キモっ。

キモ市!。




なんて言っている。まぁそれが狙いなんだけどな。
なんてったってローザ・ルティーナはアスモさんなんだから。









「俺、明日から石矢魔に行きます。」



俺はみんなが集まる大広間に戻るとそう言った。

「別にいいけど、どうしたんだい?いきなり。」


「石矢魔で見つけたんです。」


俺がそう言うとアスモさんが



「そうかい。じゃああたしも一緒に行こうかねぇ。」


そう言い出した。

「え!?アスモさんも行くんですか??」






っていうことがあったのが昨日の話。

で、今日に至る。



「じゃー。えっと。

あー。お前の席は古市の隣な。」


「おっしゃ。」

って言ってガッツポーズしてみたり。


そしたらまた

キモっ

って聞こえてきたり。

えぇ〜!!なんて言ってみたり。







あ、このローザ・ルティーナって名前はアスモさんの本名らしい。




「アスモさん名前どうするんですか?そのままとか?」


「それは大丈夫。本名にするからさ。」


「本名!?」


「あぁ、アスモはあだ名みたいなもんだからね。
ほら、あんたにもできたじゃない?エンヴィーって名前。
あんな感じさね。
あたしの本名はローザ・ルティーナって言うんだよ。



なんなら、これからもファーストネームで読んでくれてもいいんだよ。」

そう言ってアスモさんは笑った。







「はじめまして。」


自分の席についたアスモさんはそう言うと手を差し伸べてきた。


俺は美人を目の前にしてテンションがあがった!!みたいな感じで


「あ!よろしくっス!

古市貴之です!!めっちゃ美人っスね!!」


そう言って手をとると



うっわ、キモ。

キモ市。

みたいな声がやはり飛んでくる。

「危ないっスよ!そいつ!気をつけた方がいいっスよ。」

って言う言葉も聞こえる。



えぇ〜。
てかさらっと俺の評判悪くしてかないでくださいよ〜。

なんて笑って言った。

ローザさん(アスモさん)は微笑んで


「あなた、おもしろい人ね。

わたし、来たばかりであまりよくわからないから、いろいろ教えてね。古市くん。」


そして最後にウィンクした。


「は、はい!」


マジっすか〜。

なんて声が飛んでいる。




さあ、これからが本番だ。


ローザさんの手をとったまま俺は微笑んだ。









古市貴之、またまた学校に通うことになりました。
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