おがふる連載
□第8話
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真っ白な部屋の中。
これまた真っ白な少年と対照的に黒の服で身を包んだ女性が机を挟んで向かい合って座っている。
「このガトーショコラ、ラースさんに教えてもらって作ってみたんですけどお味はいかがですか?
ヒルダさん。」
純白の服に身を包んだ少年が紅茶を一口のみ向かいの金髪の女性にたずねた。
「うむ。なかなかだ。ぜひ今度私にも作り方を教えてくれ。古市。」
金髪の女性、ヒルダは微笑みながらかえした。
「ええ、いいですよ。」
古市と呼ばれた少年も微笑んでかえした。
「またヒルダさんとお茶できて嬉しいです。」
そう微笑む古市からは下心など微塵も感じなくただ純粋に友人とお茶できることを楽しんでいた。
もちろんヒルダだってそうだ。
「いきなりお呼びたてしてしまってすいません。」
しばらく他愛もない話をした後、古市こう切り出した。
「ちょうどよかった。
私も話があってな。」