おがふる連載
□第2話〜色欲編〜
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「じゃあ行ってくるわね。」
「ローザ、気をつけてね。」
ある日あたしは恋人であるアリオンとともに我が国の王子リーガル王子の婚約者である隣の国の姫君、レミーナ姫が来る日なので見に行った。
「ねぇ、アリオン。レミーナ姫ってどんな人だろうね。」
「噂では純粋で可愛らしい姫だって聞くよ。」
広場にはたくさんの人たち。
レミーナ姫は噂通り可愛らしい姫だった。
長いカールした金色の髪に青い瞳。観衆にむかって微笑みながら手を振る姿はまさに天使。
思わず見とれてしまうような、そんな人だった。
黒い長めの髪に青緑の瞳で凛々しいリーガル王子にまさにぴったりのお相手だろう。
人がさらに多くなってきた。
「アリオン、そろそろ帰ろう?
…アリオン?」
アリオンに話しかけてもただボーッとしている。
袖を引っ張るとはっとしてなんだい?と聞いてきた。
「そろそろ帰らない?」
そう言うとああ。といって最後にもう1度姫を眺めてから行こうかといってアリオンとあたしは広場を離れた。
「レミーナ姫、可愛らしい人だったわね。」
「ああ。そうどな。本当に可愛いらしかった。」
帰り道そんな話ばかりしていた。
「じゃあね。アリオン。」
「ああ。」
あたしはアリオンに家まで送ってもらってから家路を急ぐアリオンの背中を眺めていた。
気のせいかしら…?
アリオン、何か…変だった?
「…気のせいよね。」
そうあたしは呟いて家の中に入っていった。