おがふる連載
□第3話〜色欲編〜
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「言っている意味が理解できません。リーガル王子。」
あたしはある日リーガル王子に呼ばれて宮殿へ行った。
そこで言われたことは。
王子があたしと婚約したいというものだった。
「ではもう1度言います。ローザさん。私の妃となってはいただけないだろうか?」
…つまりこういうことらしい。
彼はあたしがレミーナ姫とリーガル王子を見に行ったとき、あたしに一目惚れした、と…
あたしは確かに婚約を破棄されている。
彼と婚約をすれば母にだって楽をさせてあげられるだろう。
でも…あたしは…
「その申し出は受ける訳にはまいりません。
せっかくの申し出ですがお断りさせていただきます。」
リーガル王子はそうか。
と苦笑いをして言った。
「私こそ、無理を言ってしまったかな。すまない。」
「いえ…」
王子は本当に良い人だろう。
でもあたしには、アリオンしかいない。そう思っていた。だからアリオンと婚約を破棄した直後にこんなことは考えられなかったのだ。
それから王子と少し話をした後、あたしは宮殿を後にしようとした。そのとき。
「ちょっとよろしいかしら?」