おがふる連載
□第7話〜憤怒編〜
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「おやおや。逃げてきてしまったのですか。」
ヒューマノイドは嫌みったらしく笑って言いました。
「…これは、あなたの仕業なのですね。」
わたしがそう言うとヒューマノイドは大声で笑い出しました。
「ええ、その通りですよ。王女。」
「…私を殺すつもりだったのでしょうけど、とんだ誤算でしたわね。」
わたしがそう言うとクククと押し殺す笑いが聞こえてきた。
「誤算?いえいえ、このことも想定済みでしてね。」
ヒューマノイドがそう言うとさきほどの臣下たちが。
「…っ!あなたたち、リーバイスをどうしたのですか!?」
わたしがそう言うと臣下のうちの1人が。
「我々の手にかかればあの程度のやつには負けませんよ。」
「ま、まさか…リーバイスを…」
リーバイスはわたしを護るために残り、命を落としてしまいました。
わたしは呆然としてしまいました。
そして、かかれ。というヒューマノイドの言葉を引き金に。
臣下たちが一斉に切りかかってきました。
ああ、もうダメだ。もう遅すぎた。そう思いました。
しかし、一向に痛みが私を襲いませんでした。
そっと目を開くとそこには空色の髪の青年と紫色の髪の美女とかわいらしい黄色の髪の双子、がいて、そしてその周りには臣下たちが倒れていた。
「誰だ!貴様等は!!」
叫ぶヒューマノイドをチラリと見た彼らはわたしの方に向き直りわたしに近づいてきました。
「あなたたちは…?」
「あたしたちかい?
あたしたちはあんたを勧誘しにきたのさ。」
美女は女性のわたしが惚れ惚れするほど美しく微笑んで言いました。
「その話は後にしよう。まずは…」
そこまで言って青年はヒューマノイドの方を見た。
ヒューマノイドがビクリと震える。
「どうしますか?王女。」
青年がうやうやしくお辞儀をする仕草をして訪ねた。
わたしは護身用にと常にリーバイスに持たされていた短剣を引き抜きながらヒューマノイドの方へ歩いていった。
「お、王女…お助けを…」
ヒューマノイドが泣きながら助けをこう。
わたしは短剣を振り上げました。
グサッと音がして…
短剣はわたしの短剣を持っていない方の腕に突き刺さりました。
「…あなたのことは、私は一生許さないでしょう。
しかし、今回のことは私にも非があります。」
わたしはそこでひと息いれました。
「…とっとと自分の国へ帰れ。」
そして脅すようにそう言いました。
するとヒューマノイドは命からがら逃げていきました。
わたしは王の座を降りました。
リーバイスは生きていたのです。
酷いケガでしたが双子の子の1人、「ベルフェ」がなおしてくれたのですぐに元気になりました。
わたしはリーバイスに王位を譲りました。
そしてわたしは煉獄七大罪騎士の憤怒のラースとなったのです。